〔まち学:10/25〕芸工展2008ディープツアー(2日目)
posted on 2008年10月29日 00:11
「まち学」の石幡です。
芸工展ディープツアー第2回目。参加者が増えに増え、なんと14名(うち3名は念願のリピーターです!)。
けっこう広いなぁと思っていた根津スタジオが、あれ?意外と狭い?
今回も年齢、職業、お住まいも様々な参加者にお集まりいただきました。何の接点もなさそうな人たちが、場を共有して同じ活動に参加しているということが、なんだか不思議。そして、わくわく。
まずは、馬頭さんから、美術館の展示企画を例に空間デザインのお話。
前回の参加者から「町をデザイナーの視点で見るという見方を、美術館の話とつな
げて具体的に
示してもらえると、素人としてはより意識できたかも」というご意見をいただいたので(こういうご意見、
貴重です!ありがとうございます)、こ
れを踏まえてブラッシュアップしました。
美術館の話は「何のために何をどう仕掛けるか」というデザインの目的-手段関係をより明示的に。
そして「ギャラ
リーやお店それぞれが、お客さんを魅了するためにどんな仕掛けをしているか見てき
ましょう」「芸工展の企画者が、イベント全体を盛り上げるためにどんな仕
掛けをしているか見てきま
しょう」ということで、町へ出発。
今回は、電車に乗って千駄木へ。千駄木~谷中は活気ある商店街があって、その中の小さなお店で
展示をしているところが多く、同じ下町と言っても前回(上野桜木)とはまた少し違った雰囲気です。
指人形笑吉へ。『指人形=お子ちゃまのおもちゃ』なーんて思って工房へ続く路地に入ると、立てかけ
てある写真にびっくり。
「うわっ!めっちゃリアルじゃん!」
そう、こちらの工房、自分そっくりの人形を受注生産しているそうで、予約は6年分たまっているとか。
工房の中では指人形劇をやっていました。職人でありエンターティナーでもある...。すごいなぁ...。
ここで早速『芸工展全体を盛り上げる仕掛け』につかまる人、続出。
その仕掛けの正体はスタンプラリー。
各店、個性的なスタンプを用意していて、コレクター心を揺さぶります。
押すたびに「かわいい!」の歓声。
商店街を奥へ進むと、インドネシアの雑貨のお店alas-alasanがあります。私は、こちらで扱っている
インドネシアの布(バティックという蝋
けつ染めの布)の模様や風合いが大好きです。お店の正面の壁
に大きな布が飾られていました。店先では、クッキーやカップケーキの販売も。言うまでもなく大人気(笑)
この辺で『芸工展全体を盛り上げる仕掛け』のふたつめに気づきます。
「あれ?このエコバック、指人形のところにもあったよね?」
そうなんです。『芸工展』と書かれたエコバックが参加店の入り口には必ずかかっています。参加店全体をひとつにまとめ、まちじゅうをひとつのコンセプトを持った展覧会場にする仕掛けですね。
alas-alasanの近くには、これでもか!というくらいにたわわに実った最強柿と、電柱をよじ登る最強朝顔(ともに本日命名)。さらに商店街を北に進むと、ギザギザ屋根の建物があります。工場跡なのかな?今度調べてみようっと。
お次は、雑貨と道具のお店プフレーゲライヒトへ。
店主ライさんの切り絵が展示されています。販売しているポストカードも切り絵をプリントしているそ
う
です。お店のアトリエ部分では、いつものようにせっせと雑貨を作るライさんの姿が見えました。ライさ
んの細やかな気配りは、お店の外にも。室外機に素敵
な囲い。お店の外もプフレワールドでした。
初音の森に突如現れたチャックパークや、貸しはらっぱの尺八、粘土でできているとは思えない本物
みたいな羽根飾りなどを自由に見て回った後は、三崎
坂方面へ。途中、お寺の門前にバイキンマン
発見!何が現れるか本当に未知だ(笑)
三崎坂にもいろんなお店があります。古びたプレートがいい味を出している
cheteの看板。ハンドメイ
ドの革靴屋さんsonomitsuの入り口には革の矢印がべろーん。江戸川乱歩好きのご主人が経営す
るカフェは、『乱歩』
じゃないです、『乱歩゜』です。
ツアーも後半。へび道をくねくねと根津へ向かいます。「この道は昔、川だったんですよ」なんて薀蓄を
語りながら。
へび道の終点近くにはギャラリーKingyoがあります。こちらでは、今、カバ祭りを開催中。広い外土
間を真っ赤なカバ車が占拠し、カバヤのお菓子
を販売していました。ギャラリーの中もカバだらけ。
内土間では、小石が敷き詰められた床のそばにカバの置物が。小石を川に見立てているんですね。
巧い!
実
はこのカバ祭り、谷中・千駄木・根津の合計3会場で開催しています。Kingyoは千駄木会場。
さて、谷中会場と根津会場はどーこだ?それにしても、カバ
への熱狂的な愛で、谷中・根津・千駄木
を制覇してしまうとは...。
最後はギャラリーTENへ。アフリカの動物たちを描いたポップアート展を開催していました。植物の鉢
植えや民族音楽で細部にわたってアフリカの雰囲
気作り。しかも、鉢植えは間仕切の役割も果たし
ていました。普通、作品のすぐ前に物を置くのはNGですが、作品の前に鉢植えが置かれると、ジャン
グルの向
こうに動物の姿が見えているようで、カッコいい。チラ見せで好奇心をそそる効果も。照明は
原色を鮮やかに見せるという白熱灯。馬頭さんに教えてもらったこ
とを、実際の展示を見ながら確認
しました。
根津の町を自由に見て回ってエンパブリックに戻り、感想を語り合ったり、撮ってきた写真のスライド
ショーを見たりしました。前回もそうでしたが、他
の人の視点を追体験するのは、とてもよい刺激にな
ります。同じ場所を歩いたはずなのに、私は気づかなかったことに気づいた人がいたり、私と同じとこ
ろを面
白いと感じた人がいたり、違うところを面白いと感じた人がいたり...。「この写真を撮った人は
何を考えて撮ったのかな?」と想像しながら見るのは楽しいで
す。
そして、今回見たところの多くは若い人たちのお店でしたが、昔ながらの建物を直し直し使っている
ことが、写真を通してみると、よくわかります。町並みに溶け込みながら、看板や店先のライトで個性
をさりげなくアピールしていました。
参加者の皆さんからは、
「上野はギャラリーやカフェ兼ギャラリーが多かったけれど、千駄木はお店で展示をしているところが多かった」
「自分で作ったアート系のものを売るという発想が新鮮だった」
「自然にあるものと、意図的にデザインしたものが、うまく組み合わされている」
「お年寄りと若い人が、融合はしないけれどお互いの存在を認めつつ共存していると感じた」
「若い人が古い町並みや古くから住んでいる人をリスペクトしている。この町はうまくいっていると感じる」
などの感想をいただきました。アートめぐりを通して、町全体の雰囲気や人々の生活のあり方にまで想像をめぐらせた感想をお聞きすることができて、私としても大収穫でした。
最後に、忙しい中、プレゼンを準備し下見につきあってくださった馬頭さん、打ち合わせや広報や準備をサポートしてくださったエンパブスタッフのみな
さま、芸工展という素敵な企画を16年間も続けてい
らっしゃる実行委員会のみなさま、町のお店やギャラリーのオーナーさんたち、そして何より、ツアーを
楽
しんでくださった参加者のみなさま、とても楽しいツアーを、どうもありがとうございました。
この指とーまれ!
※リンク集
・指人形正笑吉 勝手に応援サイト
・alas-alasan
・プフレーゲライヒト
・ギャラリーKingyo
・ギャラリーTEN

